さぶさんの

《RC日記》

(1999年6月27日)

「東京出稽古報告」


■ 「第1編:上京」

6/27、AM6:00においらは目覚めた。
今日はAORc本部への出稽古の日だ。
6/28〜29の仕事の準備もそっちのけで用意したRC用品一式をORIONのバッグに詰め込み、松山空港まで送ってくれる友人からの連絡を待つ。
6:30ちょうど、約束の時間に友人からの連絡が入った。
「今から行くわ。」

彼に「朝飯に吉野屋行かん?」と訪ねると「さぶちゃん空港に降ろしたら吉野屋行くつもりやった。」と言う。
やはり早起きと牛丼は切っても切れない関係のようだ。
今日の夕飯は吉野屋の牛丼と決まっている。朝定食という選択肢もあるがここはやっぱり牛丼で行こう。
たっぷりと七味を振った後に紅生姜のトッピング。
肉が見えなくなるほど紅生姜を飾り付けるのはお約束。

空港でチェックインを済ませ暫しの休息。あぁ、腹一杯や・・・。

梅雨前線の影響でかなり揺れるとの機内アナウンス。
ガラガラの機内のなかで「ワンダースワン」に勤しむ。

9:00過ぎに羽田空港に到着。やはり雨。
到着ロビーを出てかつよしさんのトーラスワゴンを探すが、バスに視界を遮られ確認できない。仕方なくかつよしさんの携帯へ連絡を入れる。かつよしさん曰く「向かいの駐車場の出口」にいるらしい。でも、悲しいかなおいらにはその場所が判らない。
とりあえず自分のいる場所をかつよしさんに告げる。
「わかりました。じゃ、そっちに車まわしますね。」と快く承諾してくれたかつよしさんのトーラスワゴンを目視したのは携帯を切った3秒後だった・・・。

噂のトーラスワゴンから降りてきたかつよしさんと簡単なあいさつを交わし、荷物を積み込む。
左右2本出しのマフラーが怪しいシルバーのトーラスワゴンに乗り込み青葉城(加瀬サーキット)に向かった。

車内での会話は・・・・ここでは割愛しよう。

10:30前に本日の最初の稽古場となる青葉城に到着。すでに駐車場は多くのRCフリークの車で埋まっている。ちょうど1台の注射スペースに車を滑り込ませる。
「メカマンさんが来てるなぁ。あのグリーンのスカイライン・・・」とつぶやくかつよしさんの視線の先にはライムグリーンのR32-GTRが鎮座していた。
うっ!夜中のパーキングや峠にたむろってるような兄ちゃんが出てくるのかな? と思いきや全然ふつーのメカマンさん登場!
「場所取っときました。」とのことでピットへ荷物を運び込む。
周りには人、人、人。
雨でナイトレースがあるという条件が重なっているせいか大繁盛。

メカマンさんがキープしてくれていたピットで荷物を広げて走行準備に入る。

「あのー、AORcの方ですか?」
おいらの後ろで声がする。
「はい、そうですよ〜。」
かつよしさんがこたえると、
「キムキムです。」
おぉ、キムキムさん登場!
少し離れたところにピットを構えていたようだ。

この後しばらくこのメンバーで時間を過ごすことになる・・・・

「第2編:青葉城初走行!」に続く。


■ 「第2編:青葉城初走行!」

とりあえず充電しないと始まらない。
持参した「Novak MILLINNIUM」と「TEKIN BC112A」の2台体制で充電を開始した。
今回は2週間後にJMRCA1/12EPの四国予選が控えているので1/12のみの体制だ。ただし、1台は一部で「トゥエルボン」と呼ばれるツーリングボディを被ったお遊び仕様だ。
ここで2台の細かなスペックを紹介しよう。

<ASSOCIATED RC-12LC 1号車>
 ・シャーシ:ヨコモハイトラクションソフト
 ・フロントセクション
    タイヤ:ヨコモLラバーミディアム45mm
    スプリング:0.45mm
 ・リアセクション
    タイヤ:カワダLラバー52mm
    Tバー:1.6mm
    ショック:VCSマイクロ
    スプリング:黒(ソフト)
    オイル:アソシ#30
 ・メカ
    受信器:サンワRX-211
    サーボ:サンワSRM-141HR
    アンプ:LRP IPC-V6
 ・モーター:アトラスNEO-SS 16T-D
 ・ボディ:プロトフォームP35(軽量)

<ASSOCIATED RC-12LC 2号車(トゥエルボン)>
 ・シャーシ:アソシ12LCソフト(1.98mm)
 ・フロントセクション
    タイヤ:ヨコモLラバーミディアム45mm
    スプリング:0.5mm
 ・リアセクション
    タイヤ:カワダLラバー52mm
    Tバー:1.9mm
    ショック:トリニティ
    スプリング:ノーマル
    オイル:アソシ#30
 ・メカ
    受信器:サンワRZ-2305
    サーボ:サンワSRM-141HR
    アンプ:ヨコモ TEKIN M-Star-Gold
 ・モーター:ヨコモZERO-α316('98全日本仕様)
 ・ボディ:イーグル BMW-M3

準備が整ったところでサーキットの観察を開始する。
アスファルト舗装で反時計回り。最も広い操縦台下のストレートで3m程度、狭いところでは2mあるなし位か?
照明のおかげでそれほど暗さは感じない。

コース使用料の支払いのためショップに向かう。
ディタイムの2,500円を支払い札を受け取る。
ショップの品揃えはなかなか的を得ている様子。
よほど特殊な車でない限り困ることはないだろう。

そうしている内に充電が完了。
1号車にバッテリーを積み込みいよいよ初走行だ。
操縦台下でバンドプレートを取り付け、ピットレーンでトリム調整を済ませて操縦台に上る。
充分な高さがありコース全体が見渡せる。
操縦台の真下がメインストレートとなるため1コーナーの進入には十分注意が必要である旨をかつよしさんから訊いていたため、1コーナーの状況を耳で聞き取れるように若干右寄りの立ち位置を選ぶ。走行している他車の動きを見ながらラインを選ぶ。
インフィールドはラインが1本しかない。上手く乗せることができればなんとか走れるかもしれない。

走行中の車が途切れるのを待ってコースイン。
路面のグリップとラインを確かめるためにゆっくりと走る。
普段グリップ剤を塗って走らせている地元のコースよりもグリップレベルは数段上だ。
ただ、やはりインフィールド中央部分は難しい。
進入のラインでその後の全てのラインが限定されてしまう。
フェンスにぶつけないように、他車にからまないように慎重に周回を重ねる。
同時に走ってい車とはストレートのスピードが全然違うのでストレートで簡単にパスできるので追い越しはラクだ。
インフィールドも周回を重ねるにつれリズムよく走れるようになってきた。

1パック目を無事走り終えた。
多分10分以上は走行していただろう。
かなり集中していたので既に疲れている。

モーター、バッテリーを冷却しながら次に走らせるトゥエルボンの
走行準備にうつる。
この日のために用意したトゥエルボン。
当然、トゥエルボンボディでの走行は初となる。

ピュアレーサーボディとの走行特性の差は想像以上だった。
まず、リアのグリップが圧倒的に低い。ストレートエンドでちょっと多めにステアするとリアが出る状態だ。その上、重心の高さからか次のコーナーでは転倒してしまう。
リアのTバーを1.9mmから1.6mmとすることで改善されるとは思ったが、あえてそのままの状態で走行させる。
この状態できちんと走らせるには「突っ込みすぎ」と「ステアの切りすぎ」が厳禁だからだ。
これは常々、師匠から注意されているところだ。

コーナー手前できちんと減速できていれば最小限のステア操作でクリアできるものだ。こういう走りができている車は見ていると非常にスムースで速さを感じさせないが実際のタイムは出ている場合が多い。
一方、突っ込みすぎた場合は、曲がらないのでコーナーのRに関係なく常にフルステア状態、車は失速し、次の加速のためにバッテリーやモーターを痛めつける。見た目は派手だがタイムにはつながらないことが多いようだ。

ナーバスなトゥエルボンで1コーナーのベストラインを見つけた。
このラインは決まればかなりいい感じでインフィールドまでつながる。
インフィールドは渋滞に捕まることが多く、なかなかベストラインを探せない。いろいろなラインを試している内にバッテリーダウン。
次の走行に備える。

かつよしさんは全バラ(半バラ?)となっていたTCをまだ組み立てている。
目の前には抜け殻となったTCのシャーシが寂しげに置かれている・・・。

メカマンさんは自作シャーシのミニがかなりいい感じ。
時々マイナートラブルが発生しているものの淡々と周回を重ねている。
確か、当日の電飾はメカマンさんだけだったような・・・。
インドアなのでかなり目立っていた。

キムキムさんも果敢にコースに挑んでいる。
初心者とは思えない走りだ。所々で細かいミスはあるようだが許容範囲内だ。もう少し安定性のあるボディを使った方がラクかもしれない。

何パック目かで常連と思われるツーリングカーと同時走行となった。
しばらく引っ張ってもらう。インフィールドでのラインがやはり違う。
何度かトライしてみるとそのラインの方が失速させずに曲がれることが判った。
これで自分なりの青葉城攻略ラインが完成した。
あとはいかにミスを少なくラインを詰められるかだ。

途中、他のツーリングカーとは違う動きをしている1台のツーリングカーを発見。ドライバーを捜すが、その車を目で追っている人がいない。操縦台の下に・・・あれ? ひょっとして八島さん?
某繭のMLでお世話になっていた(なっている?)RCW編集部のランディ定こと八島さんだった。
ピットに帰った八島さんの所へ挨拶に行った。
「こんにちは、北島・・・いや、さぶです。」
かなりびっくりした様子の八島さん。
「え? あ、あれ? なんでここにいるんですか?」
いきなりの質問責め。成り行きを説明してしばし雑談。
CL-03Lのセッティング中で、ナイトレースにも出場するとのことだった。

かつよしさんのTCも組上がり早速走行を開始するが、巻き巻き状態。
何度かセットを変更するものの基本的な特性は変わらぬまま。
その時に思った。「TCを持ってこなくて良かった・・・。」

何時頃だったか、はるさんが登場した。
HPI-10G改のトゥエルボンをみせてもらう。
あ、怪しい・・・怪しすぎる。
車高の低さとリアのロールスプリングの固さが気になった。
車高は上げれるもののロールスプリングは持ち合わせがないとのこと。
シャーシロールが全く期待できないのでリアグリップの確保が厳しいであろうと思われる。

はるさんに里子にだすバッテリーを確認する。
ん? たしかキムキムさんも申し込んでたっけ?
あれ? チラノさんのはなんだったっけ?
そういえばTETSUさんにも渡さなきゃいけないなぁ・・・。
誰にどのバッテリーを渡すのか既に判らなくなっている。
とりあえずはるさんとキムキムさんにバッテリーを渡し、チラノさんの分は晴海でおぐっちゃんに預けることにした。

16:00も過ぎようとした頃、とみながさん登場。
ディタイムも残り1時間となった。だがあと3パックは走らせたい。
あいさつもそこそこに操縦台へ。

走行している台数は多いものの上手く流れている様子。
周回していると1コーナーの奥のピットでかつよしさんがプロポを
構えて座っている。その周りにはAORcのメンバーが・・・。
ラップタイムを測っていたようだ。
ピットに帰るとかつよしさんが、「さぶやん、10秒前半でラップしてるよ。」という。
でもそのタイムが速いのか遅いのかさえよく判らない。
そういえばショップ内に前回(?)のレースのリザルトが張り出してあったっけ。
1/12は・・・・ベストラップ10"02'。
これはちょっと無理っぽいなと思いつつ、ピニオンを1枚上げることでストレートを稼ぎ、コンマ1秒のアップを試みる。

「じゃあ、タイムアタック行ってきます。」
目標タイムは9秒台。かなり厳しい目標だ。
プレッシャーによわいおいらは今までのラインをうまくトレースできない。
ダメだ。
タイムを削ろうとするとどうしても突っ込み気味となってしまう。
その上、今までイン側に取っていた安全マージンを詰めるためイン側にヒットしてしまう。
まともに周回できない。
同時に走行しているツーリングカーは常連組のようだ。
遜色ないペースで走っている。
それがプレッシャーに拍車をかける。
何度もヒットしながらも徐々に落ち着きを取り戻してきた。
諦めたと言ったほうが正解かもしれない。
と、同時にラインが安定してきた。
が、時既に遅し。まもなくバッテリーダウンで走行終了となった。

がっくりしてピットに帰るとかつよしさんが「出たよ、9秒台。9"97'!」
おぉ、これは予想外。おいら自身が驚いた。
訊くとやはり最後の最後に出たタイムのようだ。
無理しないで走らなければタイムが出ないことが証明された。

残った1パックをトゥエルボンで消費しているときに残念ながらタイムアップ。
コースの照明は落とされ、ディタイムは終了となった。

キムキムさんとはるさんはここでお別れ。
雨の中かつよしさんのトーラスワゴンに荷物を積み込む。
いよいよ次なる稽古場、晴海に向けて出発だ。
かつよしさんのトーラスワゴン、とみながさんのレガシィワゴン、
メカマンさんのGT-Rと3台連ねて晴海を目指す。

「第3編:晴海投稽古!」に続く。


■ 「第3編:晴海投稽古!」

青葉城の駐車場である事実が発覚した。
「じゃあ、これからさぶやんのホテルチェックインを済ませてから吉牛(吉野屋の牛丼)行って晴海にいこうか。」とかつよしさん。
「牛丼ですか・・・。肉だめなんですよ」とメカマンさん。
まさかメカマンさんの口からそんな言葉が出るとは予想もしてなかっただけに驚いた。
「え〜と、じゃあ、牛丼弁当にしようか。メカマンさんも晴海なら食べ物あるし・・・」
とのかつよしさんの提案でルートは予定通りとなった。

キムキムさんとはるさんにお別れし、かつよしさんのトーラスワゴン、とみながさんのレガシィワゴン、メカマンさんのGT-Rと3台連ねて青葉城を後にする。

途中、メカマンさんとはぐれてしまったが、なんとか合流でき、当日の宿「銀座ラフィナート」に向かう。

フロントでチェックインを済ませる。
フロントマンの口から驚きの新事実が発覚!
「門限は午前1時となっております。」
「えっ!1時? ・・・・・3時じゃダメ?」
「申し訳ございません。」

大幅に予定が狂った。
だが、それも仕方のないことだ。
門限が1:00ということは0:00には走行を切り上げて後かたづけをしなくてはならない。すでに19:00を過ぎている。
あと5時間足らず・・・・・

晴海通りの吉野屋に到着。
特盛り弁当とみそ汁をそれぞれ3個注文する。
「兄ちゃん、紅生姜30個ほど入れといて。」と言葉が出かけたが、ぐっと飲み込み、「紅生姜2個ずついれといてね。」にしておいた。

オートウェーブの看板が見えてきた。
「ここでニコニコして第1関門突破しないと・・・」と言いかけたかつよしさん、駐車場案内のオヤジに捕まる。
「こっちに止めて下さ〜い。」
「荷物降ろすだけなんで・・・」
「みんなそう言って車止めるんですよ。こないだも事故があったばかりなんで奥へお願いします。」

オヤジの勝ちだった。
仕方なく奥の駐車場に車を入れる。

カートに道具を積んでいると、TETSUさんが登場。
一緒に晴海入りする。

音楽と場内放送が絶え間なく鳴り響く。
雨だというのに兄ちゃん姉ちゃんがたくさんいる。

エレベーターで2階へ上がる。
ゲーム機の奥にある。確かにサーキットがある。
右隣の卓球台、奥のビリヤード台に挟まれてカーペット敷きのサーキットはあった。コースは左右に長いレイアウト。
奥がストレートでレイアウト自体はかなり単純だ。
所々のカーペットがはげかけているのが気になる。
1/12にはかなりの障害になりそうだ。

ピット奥の方にAORcのメンバーがいる模様。
TETSUさんがスタスタと奥の方へ進む。
奥から来たのはおぐっちゃん。
いきなり握手で出迎えされる。
熱いキッスでなかったのがせめてもの救いか。

MLや掲示板でしか知らなかった方々と次々に挨拶を交わす。
izu@さん、浦野兄弟、未明さん。

奥の本隊付近のピットエリアの空きがなかったので一番手前に青葉城組は店開きする。
とりあえず充電を始め、操縦台脇で眺めているとizu@さんが「ラップトークやってみない?」とミニとラップトークを貸してくれた。
始めてのコース、しかも人のマシン、慣れてないプロポでの晴海デビューとなってしまった。
ストレートエンドのizu@さんのピット前を通過する度に右耳からラップトークの声が聞こえるのが判る。
だが実際、自分が何秒で走っているのかは余り判らなかった。
上記の条件から、右耳で聞いてはいるけれど意識は全て操縦の方に廻っていたからだと思われる。
コースに慣れてからだったらタイムを聞き取る余裕もあっただろう。

充電の完了を見計らい、レジにて受付を済ませる。
おっ!izu@さんのミニでの走行時は走行料払ってなかった!
許して下され >オートウエーブ様

受付をすませ青葉城セットのままの1号車でコースインする。
周回を重ねながら徐々にスピードを上げていく。
だめだ。
強烈なアンダーに悩まされる。
ラインに上手く乗っているときはそれでも走れるが、一旦ラインを外すと飲酒運転のような蛇行になってしまう。
速い車に付いてインフィールドを引っ張ってもらう。
ストレートはおいらの方が圧倒的に速いので相手に合わせてスロットルを開けない。そのせいもありバッテリーがかなり長持ちする。多分、1本で15分近く走れるだろう。

次にトゥエルボンを登場させる。
こちらも青葉城セットのままだ。
青葉城では巻き気味だったので1号車よりラクに走れるかもしれない。
予想通り!
投げ稽古の場合、ストレートスピードを余り必要としないのでギア比を低めに設定し、インフィールドの運動性を重視した。
小さなボディと相まってなかなか良い動きをみせる。

2度目の1号車(トータル3パック目)が走行途中でクラッシュ!
右ロアサスアームを骨折した。
1/12走らせ始めて2年あまりになるが通算2本目の骨折。
まさか晴海でこんな事になるとは予想もしてなかった。
青葉城でのストレスにとどめを刺してしまったのかもしれない。
「全治20分」
門限までの限られた時間の内20分を修理に費やすことになる。
なんとか20分足らずで修理を完了し、比較的調子の良いトゥエルボンで稽古に参加する。

だが・・・かつよしさんのTCにかなわない。
おいらが先行している時はインフィールドで追いつかれストレートで引き離すといった車の性能差のみの走りとなってしまう。
これはまずい。
こんな狭いコースで1/12がフルサイズのツーリングカーにインフィールドで負ける訳にはいかない。
そこでかつよしさんの後ろに付きラインをコピーする事にする。
車の違いによる差はあれ、大体の攻略ラインがつかめてきた。
よし、ストレートで煽ってインフィールドで付いて行ければプレッシャーをかけれるな。そう思い必死で食らいつく。
そうしているうちにだんだん余裕が出てきた。
こうなればおいらの勝ちだ。
かつよしさんなら普段あまり煽られることがないはず。
この時また思った。
「TCもって来なくてホ〜ントに良かった!」
TC同士ならコテンパンにやられているのは間違いなくおいらのほうだったはず。
車の差を利用してたっぷり煽ってあげよう。

ピットで整備しているとかつよしさんが「あそこで走らせてるのがt-barさん、あっちにいるのが松田さん。
二人とも速いよ〜。」
と松田夫妻を紹介してくれた。
早速あいさつに出向く。
松田さんに「こんにちは〜」と声をかけると、「あっ! さぶさんですね。 松田です、よろしく〜」と愛想の良い返事が返ってきた。噂通りのいい人だ。

一方、t-barさんはおぐっちゃんの救急車と稽古中。
おぐっちゃんのミニをF1で煽りまくり!
それはそれは見事なラインでインフィールドを抜けていく。
素晴らしい!
おいらが今まで見た女性ドライバーの中で文句無し2位にランクイン!

おいらのピットにヨコモの吉村さんが来た。
「そのボディってどこのボディなんですか?」
トゥエルボンに興味を持っているようだ。
「イーグル製です。」
その後しばらく雑談。
吉村さんの手によるトゥエルボンが晴海を走る日もそう遠くないかもしれない。

おっ! おぐっちゃんの救急車が走っている!
これは一発稽古を付けてもらわねばなるまい。
「オッス! 稽古よろしく!」の声に「オッス!」と答えるおぐっちゃん。
フフフ、かかったな?
おいらには必殺技「スリップストリームからのオカマ」という大技があるのをおぐっちゃんは知らないらしい。
特にその手のボディは簡単に餌食にできるのだ。

ストレートの入り口でおぐっちゃんのリアにぴったりと付ける。
ストレート半ばのスピードが乗った頃に少しだけラインを変えオカマをほる。ほられたおぐっちゃんの救急車は見事な弧を描いて飛んでいくという図式。
真後ろから当てるとあまり飛ばないので少しラインを変えるのがこの技を成功させるためのミソだ。
この日は何度かおぐっちゃんにこの技をお見舞いした。
成功した時の「オッス!」のかけ声と共に・・・。

ただ、レース等でこの技を使うと「バッドドライビング」の宣告を受けることになるだろう。投げ稽古専用の技として修得して欲しい。

そうしているうちにテクトロのとりさんが登場した。
とりさんとは昨年の1/12全日本の会場である谷田部アリーナで会っているので約8ヶ月ぶりとなる。
「元気〜?」という軽いノリの挨拶をしてまたまた雑談。

その後は主におぐっちゃんのミニパトとかつよしさんのTC、遅れてきたichiさんのSV-10をターゲットに稽古を重ねる。
おぐっちゃんはフルサイズよりミニの方が速い。
怪しすぎるぞ!
ichiさんはイマイチ調子が出なかったようで残念だった。
今度はもっとゆっくりお手合わせ願いたいものだ。

途中で噂のパナ3000を試した。
やはりパンチがない。その分ストレートの後半では良く伸びる。
やはりモーターのターン数を2ターンぐらい落とさないと相応のパンチが得られないと思われる。
まだまだRC2000に分があるようだ。

ついにシンデレラタイムは終わった。
時計の針は0:00をすぎ、後片づけを始めた。
帰るころになってWarpさんの存在をしった。
今日は車を持って来ていないらしい。
RS-4もみせて欲しかったのでちょっと残念だった。

参加されたAORcのメンバーに挨拶をし、かつよしさんと共に晴海を後にした。
途中、コンビニにまで寄ってもらいホテルに着いたのは門限の10分前だった。

充実した1日だった。
特にかつよしさんには朝から深夜までずっとつきあって頂き大変感謝している。
かつよしさんがいなければこのようにスムースに事は運ばなかっただろう。

そして、AORc本部のみなさんありがとう。

p.s.ホテルの枕元にはおぐっちゃんから授かった布教本が
  あったのは言うまでもない。

「特別編:東京での出来事!」に続く。


■ 「特別編:東京での出来事」

27日の宿泊は「銀座ラフィナート」。
会社関係の割引で宿泊費6,000円+サービス料10%+消費税の計6.930円だった。
門限は1:00でホテル着は門限の10分前。
部屋に入ってとりあえずユニットバスに湯を張る。
5年前によく利用していたときからはユニットバスが新しくなっていてとてもきれいだ。
風呂に入る準備をとバッグを開ける。
明日は午後から仕事だ。
Yシャツにネクタイ、スラックスに・・・・あれっ! スラックスがない! ベルトもない!
金曜日にクリーニング屋から取ってきてそのまま女房にタンスに入れられてしまったようだ。普段の出張ならきちんと確認するので
絶対に忘れない。
けれど今回はおいらの頭の中はRCがメイン。
仕事はそっちのけ状態だったのが裏目に出てしまったようだ。

仕方がない、仕事は午後からだから午前中にどこかでスラックスを買おう。
部屋に常備してあるタウンページで探す。
銀座周辺の安そうな店は・・・・・あった! 銀座に「洋服のはるやま」を発見。
ここからなら歩いていける距離だ。
問題はすぐに裾あげをして貰えるかどうかだ。

悩んでもどうしようもないのでとりあえず眠ることに・・・

翌朝、9:30にチェックアウト。ORIONのバッグはカートと一緒に友人宅へ宅急便で送る。
まさかあの大荷物をもって仕事先に行くわけにはいかない。
重量が20kg超で1,870円の請求。まぁこれも仕方ないところか。

「洋服のはるやま」を探す。
あった! 店に飛び込む。
店員の兄ちゃんを捕まえて補正がどれくらいでできるかを訊く。
「どれくらいなら待てますか?」と店員。
「・・・・30分。」
店員は電話でどこかに話している。多分補正担当者と話しているのだろう。
「なんとか30分でできるそうです。」
当たり前だ。30分もあればおいらでもできる。

すぐにスラックスを選ぶ。
何でも良い。安ければ・・・
結局、スラックスとワゴン売りのベルトをGETして9,000円弱の出費。
店の試着室を借りてTシャツにジーンズからYシャツにスラックスのビジネスマンに変身だ! ネクタイも締めたぞ!

次の行き先は秋葉原。
地下鉄に乗り込み宇宙一を目指す。

10:40過ぎに秋葉原に到着。
宇宙一に行くと・・・・「定休日」の文字が!
そうだった!月曜日は定休日だった。

頭の中の秋葉原RCショップを確認する。
よし、ベストホビーに行ってみよう。

ん? シャッターが半開きだ。
営業時間が11:00〜となっている。時計に目をやると10:50分。
よかった。あと10分待ってみよう。

11:00にオープン。
品揃えは大したことはない。ABCのDTM用のパーツを物色する。
いくつかもパーツをGET。ただ、肝心のボディがない。
店員に訊いてみることにした。
「DTMのボディある?」
「ありますよ。」と店員。レジの後ろの棚のキットの箱をどけるとその後ろ側から1/24ボディが姿を現した。
「そんなところに置いたら見えんやんか!」と思いつつジャガーのボディをみせてもらう。
おっ! 結構イケてる。こいつはGETしておこう。
結局ボディと数点の小物パーツを買った。

店を出たのは11:30。まだ時間がある。
フタバがあったなぁ。
よし、行ってみよう。

フタバに着いた。
なかなかの品揃えだ。端から順番にチェックしていく。
DTM-SPのキットがある。6,900円だ。
どうせ女房、子供に土産を買うつもりなんて更々ない。
よし、自分への土産はDTM-SPだ。
買い物かごにはDTM-SPが入っていた。
ワゴンの中にMAXTECのショックウェーブ用ローターを発見。
10T〜15Tまである。定価3,980円が1,500円だ。
安い。試してみる価値はある。
プロテン用の13Tと1/12用の15Tを選び出す。
どちらもダブル巻きだ。
バランスのエポキシが比較的少ないものを選び出しDTM-SPと共に買った。

店を出たのはちょうど12:00。
よし! 仕事に行こう。
泉岳寺まで地下鉄で移動。午後からの仕事を無難にこなした。

夜は懇親会。
とっとと切り上げて田無を覗きに行くつもりだったが、あっけなく捕まり2次会のカラオケに・・・田無は諦めた。

この日のホテルは品川プリンス。
泉岳寺からだと歩いて20分程度の距離だ。
歩くことにした。

品川プリンスに泊まるのは高校の修学旅行以来だ。
もう15年前にもなるのか・・・・
品川プリンスは飛行機のチケットとのパックでとったホテルだ。
東京−松山の往復航空券とホテルの宿泊費がパックになっていて格安の料金となっている。普通チケットが片道2万円弱のところパックで35,600円だからホテル代がまるまる浮く計算だ。
この浮いた分がDTM-SPに変わっているのはこのMLのメンバーしか知らない事実だったりする。

チェックインすると翌日の朝食券まで貰えた。
5つのレストランから自分の好きなところを選べるらしい。
素泊まりと思っていたのでこれはラッキーだった。

翌朝、和・洋のビュッフェスタイルのレストランに行った。
入り口でお姉さんにチケットを渡す。
よし! 喰うぞ!

やっぱ日本人の朝食は和食に限る。
ご飯にみそ汁、焼き魚に煮物と納豆。
海苔に卵焼きといった定番で固める。
テーブルの一角に陣取り朝食を堪能する。
なななか美味い。本当なら1,700円の朝食だ。無理もない。

おいらの斜め向かいで女性が食事していた。
中肉中背の30歳くらいの女性だ。
しかし彼女の前には目を疑うような光景が展開されていた。
ご飯2膳、みそ汁2杯、大皿に山盛りにされた料理、納豆3個、ヨーグルト2本にオレンジジュースとミルクがコップ1杯ずつ。
最初は二人連れだと思ったのだがどうも彼女一人のようだ。
30分後、彼女の前の料理は彼女の胃袋に収まり、彼女は離席した。
2分後、彼女は戻ってきた。
手にコーヒーとクロワッサン2個を持って・・・。

朝からすごいモノを見てしまった。
見ている方が胸やけする。

今日も泉岳寺まで歩く。
上手くいけば午前中で仕事は終わる。
松山へ帰る飛行機の時間は17:05。
宇宙一に寄る時間が作れそうだ。

案の定、仕事は午前中でカタがついた。
よし、今日こそは宇宙一へ行くぞ!
おいらは地下鉄に飛び乗った。

宇宙一に着いた。
何か掘り出し物はないかと探す。
ワゴンに山盛りとなっているORIONのバッテリーがある。
RC2000のFM3のストレートパックだ。
定価11,000円が6,600円となっている。4割引、お買い得だ。
FM3は容量重視のマッチドで30A放電タイプである。

ワゴンのなかには50本程度入っている。
おいらはおもむろにその50本をチェックし始めた。
現行のORIONのマッチドの箱は丸い穴が開いていてセルに貼られたデータを確認することができる。
ただし、丸穴のため死角が多いのとストレートパックであるということがデータを更に見にくくしている。
それにもめげず1本1本を手にとって見える範囲でランク付けしていく。
カウント、放電電圧、エネルギー量、内部抵抗。
重視したのはエネルギー量と放電電圧だ。
その結果判ったのは、ORIONの場合、箱の横に放電レートをチェックする
チェックボックスがある。
宇宙一のワゴンの中には大きく分けて3つのグループがあった。
一つは黒いマジックでチェックされたモノ、もう一つは赤いマジックでチェックされたモノ、もう一つは緑のマジックでチェックされたモノだ。
結論からいうと黒いマジックでチェックされているモノが総じて良いセルで組まれている。多分ロットによる差であると推測される。
また、黒マジックモノはデータシールに内部抵抗がプリントされている。
赤マジック、緑マジックのモノには内部抵抗のプリントがないので全く違ったロットなのだろう。
緑マジックはサンプル数が少なかった(確か3本)ので、既によいバッテリーがなくなっていたのか元々少なかったのかは定かではない。
ただ、残っていた緑には良いモノはなかった。

どうせ買うなら少しでも良いモノが欲しいのは皆同じ。
ストレートマッチドを狙っている人は宇宙一で確認して貰いたい。
きっと上に書いた通りになっているはずである。

今回の調査はあくまでも東京宇宙一のワゴンに限った話である。
特にマジックの色の話などは鵜呑みにしないで欲しい。

で、おいらは結局調べるだけ調べて買わなかった。
ガラスケースの中にORION-CDがあったのでそれを買おうかと思ったが、
少なからず3000mAhバッテリーにも期待しているので思いとどまった。

宇宙一では2時間ほどいたが、結局買ったのは前日にフタバで買った
DTM-SP用のベアリングと小物だけだった。

15:00を過ぎ、羽田に向かうことにした。
JRで浜松町まで行き、モノレールを使うというルートを選んだ。

秋葉原の駅でなぜかモノレール連絡のキップを買わずに浜松町までのキップを買ってしまった。
自分でも不思議だったが、これが結果的に良かった。
なんと浜松町の駅で改札を通ろうとキップを探すとキップがない!
どこかに落としてしまったようだ。
駅員に事情を説明して秋葉原−浜松町までの運賃150円を支払い
改札を通った。
もし、モノレール連絡のキップを買っていればモノレール代まで2回払うことになってしまったからだ。

たった3日だったが充分に満喫できた。
そそくさとチェックインをすませ飛行機に乗り込む。

なぜか帰りの便は満席状態。
その上強烈な梅雨前線のおかげで飛行機は揺れまくり!
無理もない。
飛行コースだった広島では多数の死者、行方不明者が出るほどの大雨
だったのだから・・・
松山空港への着陸も滑走路の一番先まで使うほど難しいものだったようだ。

こうして6/27〜6/29までの出稽古&出張は終わった。
最後まで読んで下さった皆さん。
どうもありがとうございました。


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